2009年03月22日

ブルブル防止ナックル装着にあたり・・・注意点
na_12_.jpgご好評頂いております「ブルブル防止ナックル」ですが、
この商品の性能を100%生かす為に必要な注意点・改善点・ポイントを
簡単にご説明いたします。
ノーマルナックルから、ブルブル防止ナックルに「ただ交換しただけ」では
性能を生かすことは出来ません。
部品を交換したら、必ずセットアップが必要になります。


まず、ブルブル防止ナックルの基本設計は、ノーマルタイプのタイロッドエンド装着時の設計です。
社外品のタイロッド+エンド(ピロボールタイプ)や、ロールセンター補正備品を装着している車輌は
根本的にロワアームとストッパーの位置関係がずれてしまっている車輌が多く、この現象が原因で
「ブルブルする・ハンドルが固まる」といった症状が出ている車輌に弊社商品を装着しても
改善されることはありませんので、最初に装着前の今現状の車輌見直しが必要です。

ブルブル防止ナックルを装着した後に、車を地面に降ろした状態(1G状態)で必ず下記の点を
確認して下さい。

na_2_.jpgna_4_.jpg最初に注意するべき点は、今までより切れ角があがる事により、タイヤ(もしくはアルミホイール)が、ボディに干渉する場所が出る可能性が高い事です(99%当たりますね)
車高を下げて、切れ角UPスペーサを入れただけでも、フロントフェンダー内上部の爪・後側の爪に、タイヤが当たります(特にS13系)
ハンドルを前回左右に切って、必ずチェックして下さい

na_13_.jpgna_9_.jpgこの写真は、S13シルビア
テンションロッドとタイヤが当たってしまった車輌です
シルビア系ではちょっと珍しい症状なのですが、
ホイールのオフセットによっては、このような状態になります
ワイドトレッドスペーサを入れる事で回避しました。


na_6_.jpgna_10_.jpgまずは、トーを0を基準にアライメントを取る事を推奨しておりますが、
大前提にステアリングラックのセンター(中央)を確実に出します。これ、結構盲点です
室内のハンドル上では、真ん中だと思っていても、左右の切れ角が違う車輌の多くは、ステアリングラックのセンターがずれている車輌が多いですね。


_4_.jpg_1.jpgブルブル防止ナックルを装着すると、構造上必然的にトーOUTになります。
したがって、タイロッドを伸ばす方向に調整が必要となりますがステアリングラックに、タイロッドが噛みこんでいる実量のチェックが必要です。
左写真は、S13とS14のタイロッド。長さ・太さが違います


ラックのセンターずれを起こしている車輌は特に、噛み込み量が左右で異なり、走行中に外れてしまう可能性も出てきます。最低でも1cmは噛んで欲しいですね。
使用しているタイロッドにより、長さが足りなくなる場合があるので注意して下さい
切れ角UPスペーサーは5mmを併用して下さい

_2_.jpg_3_.jpg最終的な切れ角は、「フロントロワアームの
ストッパー」と
S13・180sxなら「タイロッドエンド」
S14・15なら「ナックル側のストッパー(でっぱり)」
で決定されます。
←左がS13・180sx 右がS14・15の純正です
ロワアームの長さも、ストッパーの形状も違います

ご自分の車のロワアームのストッパーの傷を見てみて下さい。きちんとストッパーの中央に当たっていますか?

■S13・180sx のロワアーム・ナックルをセットで使う方
3UPでノーマルタイプのタイロッドエンドを推奨している理由は、純正ロワアームストッパーの中心ちょい下
あたりにタイロッドエンドが当たるからです(車高により差があります。車高が低い車ほど下になる)
 ピロボールタイプでロールセンターの補正機能が備わっているタイロッドエンドですと、1G状態では
純正ロワアームストッパーのギリギリ下の方に当たるのですが、ブレーキング時には(ロワアームがよりバンザイした時)
かなり下方にずれて当たる事により、純正ロワアームストッパーとロワアームの耳の部分の隙間にハマり込み
(ロワアームに乗っかる)ハンドルが固定されてしまう(戻らない)からです。

■S13系ロワアームにS14・15ナックルを流用
・S13ロワアームのボール部分をS14・15用に打ち替えてS14・15ナックルを装着している方
 基本構造は上記の内容です。
 ご存知かと思いますが、ナックル側のストッパーを削ってみても、切れ角は何も変わりません
・S13の純正ロワアームに無理にS14・15ナックルを装着している方
 今すぐに止めて、改善して下さい
 S13とS14・15では、ロワアームのボールジョイントのテーパ径が違います。
 無理に入れ込んで、ナットで締めても噛みが浅く、ロックピンが出来ずに走行中に外れる危険性が
 非常に高いです

■S14・15 ロワアーム・ナックルをセットで使う方
「くの字」の形をしたストッパー。 この形に問題があります
車高を落として走行することが前提のドリフト(スポーツ)走行では、フルカウンター+ブレーキングで
ナックル側のストッパーが純正ロワアームストッパーの中央から下方に当たります(車高により変わる)
その形状により、ストッパーに乗っかる状態(S13系のロワアームの耳にはまり込むのと同じ現象)
になり、ハンドルが固まる!という事になるのです。
3UPでは「くの字」ストッパーを切り落として、S13方式(タイロッドエンドがロワアームストッパー
に当たる方式)にロワアームのストッパーを新規に作り直す事をオススメしております。

上記で説明した事を理解し対策したから、あとは切れるだけ切れるようにすればOK!
という訳でもありません。

S14・15ナックルで、ナックル側のストッパーを削れば、単純にいっぱい切れるようにはなります。
ですが、ハンドルが切れれば切れる程、純正位置のステアリングラックと、タイロッドが前後に動く限界稼動量
(角度)を越してしまい、世間で良く言われるフルカウンター時に起きる逆間接(3UPではボールロックと呼ぶ)
が起きる為、結局ハンドルの戻りが悪くなる(引っかかって戻ってこない)という状態になります
 3UPでは、この現象を見越してロワアーム側のストッパーに適正な厚さの鉄板を当てなおし、
ボールロックしない角度で止まるように作り直しています。
↑手放しでフルカウンターになってもハンドルが固まらないので安心

なお、ロワアームのストッパーは「鉄」で出来ていますので、毎回当たる所は削れて来ますよね
その1,2,3mmの削れ具合で、切れ角も変わりますし、ボールロックが起きる・起きないの微妙な
角度になりますので、日々チェックする項目の一つです。
削れてしまったら、当然作り直します(ブレーキパッドが無くなったから新調するのと同じ感覚です)

長い文章になりましたが、上記の事を把握した上で本製品を装着・調整していないと、本製品の
性能を100%発揮する事はできません
ただ「付替えただけ」では、まったく意味がなくなってしまいます。
車高の低い車でドリフト(スポーツ)走行をする事を念頭に置き、足回りの動きを熟知したショップにて取り付けしてもらう事をオススメします

araimento12.jpg最後にアライメント調整
アライメントの数値は、車種・ステージ・腕前・オーナーの好みなどにより、オススメ数値は一概には決められません
ただ、大幅に足回り変更した事には間違えありません。
今後のセットアップの為にも、基本状態を把握する為にも、アライメントは必須です
3UPでは、当初は基本的にFのトーを0に調整してお渡ししております。

オーナーの好みにより、現地にて簡単にトー調整が出来る様に印を付けています。
実際のセットアップはオーナーに依存されますが、やらなきゃ損です。
実際には、トーを若干OUTに振る方が乗りやすいと感じる方が多いです(岡崎180sxはトー0)
車高調だって、車高やショックの段数を変えれば、今までとは違うフィーリングになりますよね。

オーナーが安心してハンドルを握れる「自分スペシャル」セッティングを、是非見つけて下さい
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